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健康志向食材の効果はいかに 

朝日新聞で以下の記事を読んだ。

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健康志向食材、商品化へ農水省が力 老化防止トマトなど
http://www.asahi.com/health/news/TKY200608270201.html

老化防止が期待できるトマト、血圧上昇を抑える成分が豊富なコメ……。消費者の健康志向に応える新しい食材や素材の開発に、農水省が来年度から本腰を入れる。同省の研究機関などで開発した食材、素材の商品化を本格的にスタートさせる。高い付加価値で輸入農産物との差別化を図り、農業を支援する狙いだ。

 健康へのプラス効果が期待されるのは、抗酸化作用があるリコピンを多く含む「高リコピントマト」や血圧上昇を抑えるギャバが豊富な胚芽(はいが)を大きくした「巨大胚芽米」など。主に独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構が開発し、臨床試験による効果の検証や実用化を進めている。

すでに商品化にこぎつけたものもある。花粉症緩和に効果があるメチル化カテキンを普通の緑茶の数十倍も含むお茶「べにふうき」。同機構が開発し、飲料メーカーのアサヒ飲料が今年から一部で販売しているしているが、早くも人気が高く、注文に出荷が追いつかない状態という。

・・・・・

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治験の仕事に携わっているせいか、このような記事を読むと、本当に効果があるのか、どのような臨床試験で効果を調べるのかといったことがどうしても気になってしまう。

そこで、すでに商品化されているという「べにふうき」の臨床試験成績を調べたところ、以下の成績が報告されていた。
http://www.vegetea.affrc.go.jp/press/20051209/beni4.pdf

この報告を読んで、皆さんはどのように思いますか。

私の感想です。
どのように患者を選択したのか、非介入群との比較の際はランダム化しているのか、といった部分が情報量が少なくてわかりませんでした。
また、恐らく、非介入群と書かれているので、プラセボを使用して盲検化するようなことはしていないでしょう。
(評価するポイントについては、私の過去の記事「ランダム化であれば質が高いのか」「バイアスとは」を参照してください)

このように盲検化していない場合は、主観的な評価は、どうしてもバイアスが入ってしまいますので、解釈が難しくなります。

では、ここでいう血中アレルギーマーカーのような客観的なものは信じてよいかというと、今度は、対象の選び方がポイントになってきます。
例えば、対象を選ぶ際に血中アレルギーマーカーが高めの人を選ぶとします(例えば●●以上の人という形で)。このような場合は、どうしても選択時に偶然高い値を示した人(本来は低い人)も対象に含まれることになります。このような人は何もしなくても元通りに戻りますので、試験に参加した後(調べたいものを飲む、飲まないにかかわらず)、値は下がることになります。このような人が多いと、あたかも効いたように見えるのです。

上記の現象は、ある程度、しかたない部分があります。
このような中、しっかりと評価するには、比較する対照(この報告では非介入群)と介入群とで、ランダム化をすることです。そうすれば、同じ土台で評価できるようになります(例えば、この報告では、非介入群の方が血中アレルギーマーカーの平均値が高く、介入群に比べて重症の人が選ばれている可能性もあります)。

長々と書いてしまいましたが、言いたかったことは、この報告だけでは、効果について評価しきれないということです。
本当に効果があるか調べるには、適切なデザインの試験をする必要があるのでしょう。

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