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薬ができるまで 

昨日に引き続き、HPに掲載する文章を作成した。

書きたいことはいろいろあるが、このペースで行くと、いつまで経っても完成できるのやら。

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薬を世に指すためには、以下に示すような流れで、数々のステップを踏むことになります。

非臨床試験

フェーズ1試験

フェーズ2試験

フェーズ3試験


■非臨床試験(基礎試験)

薬を世に出すためのはじめのステップは、新薬の候補としてスクリーニングしたものに対し、目的とする疾病に対して効果がありそうであるか、ヒトが服薬しても安全であると考えられるのか、といったことを調べることです。これは、研究所において実施されることになります。

薬の開発では、このような研究所から得られた基礎的なデータ(非臨床データと呼びます)を十分に集めることが必要となります。

目的とする疾病に対して効果があるかどうか(有効性と呼びます)としては、作用のメカニズムのデータを集めたり、対象となる疾病のモデル動物を用いて評価したりします。これらのデータがないと、ヒトを対象とした試験を実施する根拠がないことになり、倫理的にヒトを対象とした試験を開始することが問題となります(効くと言う根拠もないのに、ヒトで試すことはできませんね)。

また、安全であるかについて、動物を用いて十分に評価します。評価には、動物種としては、げっ歯類とよばれるラットなどと、非げっし類と呼ばれるイヌやサルを用います。これらの評価では、毒性の所見が出るまで実験します。ヒトに投与する量は、動物で毒性が認められた量よりも低い用量となります。

ヒトで用いる用量は、動物において毒性が認められた用量よりも、できる限り低い用量に設定することになりますが、その用量は、有効性が期待される程度と、対象とする疾患によって決まります(例えば抗癌剤の場合は、毒性が予想されていても、効き目を期待したいため高めの用量を選びますが、風邪薬では、なるべく安全な用量を選択することになります)

このように、臨床試験を開始するまでには、研究所において十分なデータが必要となります。そして、ヒトに試してもよい(治験をしてもよい)と考えられるだけのデータがそろって、ようやく、その薬の治験が開始できるのです。

■Phase1(ヒトに対する、はじめての試験)

はじめの試験は、安全であることを確かめるために実施され、多くの場合は健康な男性が対象となります。このステップをPhase1と呼びます。
(ただし、”がん”など、毒性が強くて患者さんでないと薬を使用できないような領域の薬には、はじめから患者さんを対象とした試験となります)

このPhase1試験自体も、ステップを踏んで行うのが一般的です。

まずは、単回投与試験と呼ばれる、1回服薬するだけの試験を実施します。この試験の中において、慎重に少ない量から安全であることを確認しながら徐々に用量を増やして行き、将来、患者さんに使用するであろう用量よりも高い用量まで、安全であることを確認することが一般的です。

そして単回投与試験で安全であることが確認されたら、次に反復投与試験と呼ばれる、何日か連続で服薬してもらう試験を実施します。これも単回投与試験と同様に、少ない量から開始し、用量をあげていくのが一般的です。

こうして、まずは健康な男性において、新薬が安全であることを確認されます。


■Phase2(患者で効果があるのか、安全であるのか探る)

健康な男性で安全であることが確認されると、次はいよいよ患者を対象とした試験が行われます。Phase 2と呼ばれる試験です。

Phase 2試験は、前期(Phase 2a)と後期(Phase 2b)に分かれることが一般的です。前期では、いくつかの用量を用いて、薬が有効であるかどうかと、用量を増やすことで効果が強まるか(用量反応があるか)といったことを調べます。用量を増やしても効果が強まらなければ、低い用量を設定した方がよいですし、用量に応じて効果が強まるかどうか(あるいは安全性が変わるかどうか)を知ることは、実際に薬が世に出たときの、用量を調整する情報として重要です。そして何よりも、Phase 2では、その薬がものになりそうかどうかの情報が得られます。


■Phase3(薬として価値があるか確認する)

Phase2で薬の情報が集まった後は、最後の段階であるPhase3試験を行います。目的は、その新薬が既に市販されている薬(比較すべき薬がないときはプラセボ)と比較して、有効性が優れているか(あるいは同程度か)、安全性の問題点を改善されているか(あるいは同程度か)ということを確かめることにあります。

Phase2では、有効性をよりシャープに評価することを目的としているため、対象とする患者を絞り込む(組み入れの基準を厳しくして選択する)ことが多く、対象とした患者さんの集団は、将来その薬が使用されるであろう患者さん達とはかけはなれている可能性があります。

しかしPhase3では、対象の幅も広げ、将来、その薬を使用すると考えられる患者さんを対象に、評価することになります。

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