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心臓病予防、魚に効果 

昨日の朝日新聞に心臓病予防に魚が効果的であるとの記事が記載されていた。約4万人を対象にした厚生労働省研究班の研究に基づくデータで示唆されたようだ。
http://www.asahi.com/health/news/TKY200601160316.html

以下はこの研究の要約(朝日新聞から)。

対象集団:成人住民
対象数 :約4万人
実施場所:岩手、秋田、長野、沖縄(計4県)
方法  :食事アンケート
開始時期:90年以降
追跡期間:11年間
評価  :虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)のリスク

結果:
魚を食べる量が最も少ない人たち(1日20グラム程度)に比べて、最も多い人たち(1日180グラム程度)は37%低かった。
診断確実な心筋梗塞に限れば、56%低かった。

魚に心臓病予防効果があるのは、油成分のエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)が血栓を作りにくくし、動脈硬化を防ぐ働きがあるためとされている。
食べた魚の種類からEPAとDHAの合計摂取量を計算したところ、摂取量が最も少ない人たち(1日0.3グラム程度)に比べ、最も多い人たち(1日2.1グラム程度)は虚血性心疾患のリスクが42%、診断確実な心筋梗塞で65%低く、効果がはっきり出た。

この結果を、どのように判断するか。

新薬の開発など行われる試験は、研究者側が研究したいものを実験的に介入する(介入試験と呼ばれる)ことに対し、今回の記事に見られる研究は、研究者側は観察するのみ(魚の摂取量をコントロールする訳ではない)である。このような研究を”観察研究”という。

観察研究の利点は、介入を伴わないため実施が容易なことや、この記事のように大規模の研究が実施可能なことである。それでは、欠点は何であろうか。

それは、比較の妥当性に限界があることである。
この研究では、魚の摂取量によって、心臓病の発症に違いがあるか否かを評価している。つまり、魚の摂取量の他には、全て同じ条件であることが理想である。

しかし、魚の摂取量の他は全て同じ条件の人たちを調査することは不可能である。この場合、何が問題となるのか。

まず思いつくのは、魚の摂取量が多い人達には、肉よりも魚の方が健康によいという考えの人が多く、健康に対する意識が高い人達の集まりかもしれないということである。当然、健康への意識が高い人達は、魚以外の点についても、日々、注意を払っているであろう。その他の食事のバランスや、もしかしたら健康管理のための運動を行っているかもしれない。もしそうであったら、この結果は、単純に魚の摂取量に起因しているとは言い切れない。

このように、観察研究である限り、得られる結果に限界があることを認識することは重要である。この点を改善するには、先日紹介したランダム化しかない。

だからと言って、全てをランダム化試験にすべきというのではない。
観察研究でしか得られない場合(倫理的に介入できない、大規模であると費用がかかる等)もあるし、観察研究であっても有用な情報が得られることは多い。大切なことは、それぞれの研究の特性にあった方法を選ぶことだ。

以下の本は、今回話題にした介入試験や観察試験の方法も含め、臨床研究のデザインが解りやすく記載されている良書である。



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