へい太郎の世界

医学・薬・臨床試験・読書・子育てなどについて更新中
 
 
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最近の記事
カテゴリー
月別アーカイブ
治験の本

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

TOPへ

服薬率を高めるには・・。 

JAMAで服薬遵守に関する文献(Effect of a Pharmacy Care Program on Medication Adherence and Persistence, Blood Pressure, and Low-Density Lipoprotein Cholesterol、フリーで全文読めます)を目にした。

この研究は、65歳以上で慢性的に4剤以上の薬を服薬している患者を対象とし、Pharmacy Care Programという介入の服薬遵守に対する効果を評価したもの。

研究デザインとしては以下のような3つのフェーズで構成されている。研究デザインを検討する人には参考となるだろう。

・同意取得
  ↓
・Run in フェーズ:Months 1-2
(ベースラインデータの収集等、介入なし)
  ↓
・フェーズ1:Months 3-8
(全例に対して介入を実施。評価データを収集)
  ↓
・フェーズ2:Months 9-14
(ランダム化し、介入継続群と、通常治療群に別けてデータを収集)


このデザインによって、介入の効果と介入をやめた後の効果の持続について評価できる。

プライマリーの結果を要約すると、

Run in フェーズ(ベースライン)では服薬遵守率が約60%くらいであったが、介入後のフェーズ1では約95%まで上昇し、介入の効果が確認された。

続くフェーズ2では、介入継続群でフェーズ1でみられた服薬遵守率の維持が確認されたが、通常治療に戻した郡ではベースラインに近い値(約70%)まで戻りが認められた。



という結果であった。

セカンダリーの評価項目としては、血圧の低下とLDL値の低下も評価している。この試験の対象となるような患者のほとんどは、降圧剤と高脂血症の薬を使用していると考えられ、実際にこの試験に組み入れられた患者のうち、降圧剤使用者は約90%、高脂血症薬の使用者は約80%であった。

そのセカンダリーの結果であるが、

介入によってフェーズの後は血圧、LDLともベースラインに比べて有意な低下が確認された。
フェーズ2による介入群と通常治療群との比較では、血圧で有意な差が認められたというものである(LDLでは有意な差はなし)。


というものであった。この結果は、服薬遵守率が上昇したという結果から、受け入れやすいものかと思う。


さて、このような明確な効果を認めたPharmacy Care Programであるが、そのプログラムの手法は、以下の3つの方法で構成されている。

・個人ごとに合せた服薬方法の教育
・ブリスターパックを使用した処方
・臨床薬剤師による2ヶ月ごとのフォローアップ

やはり、個人ごとにしっかりと教育することの効果は大きいのだろう。また、フォローアップを入れることで、患者の意識が保たれるのも想像しやすい。

僕がかかわってる治験では、まさに上記のことが治験コーディネータ(CRC)をはじめとした実施者の方によって、実践されている場であると思う。治験に参加して頂けた患者さんの殆どが、きっちりと服薬されていることに、いつも驚くばかりだ。

また印象深かったのは、二つ目のブリスターパックを利用した手法である。その例がFigure2に乗っているのだが、確かに多数の薬剤を使用している患者にとっては、このようにまとめてもらえると、それだけで飲み忘れが減るものなのだろうと思う。このような例を見ると、最近はやりの合剤のメリットもわかるような気がするものだ。

スポンサーサイト

TOPへ

コメント















 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
 
http://heitaroworld.blog44.fc2.com/tb.php/90-509021bc
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
FC2カウンター
臨床試験の教科書
★モニターになる方へ
↓海外治験のモニタリングの参考書ですが、十分勉強になります
- 臨床試験モニタリングガイドブック
↓まず基礎という方はこちらから
- GCP治験とモニタリングの基礎知識
↓カルテの見方を知ろう
- 直接閲覧に必要なカルテの見方―日本医科大学公開講座
- カルテの読み方と基礎知識―Patient profile理解のための

★CRCの業務を学ぶ方へ
↓想定事例が豊富で、参考になること間違いなし。ただし、治験依頼者とは見解が異なる部分もあるかも。
- CRCのための治験110番Q&A〈2006〉
↓業務内容を知りたい方へ
- CRCのための治験業務マニュアル
- CRCのための治験支援業務ガイド
↓業務内容の他に病院ごとの研修制度もわかります
- 医薬品の臨床試験とCRC―これからの創薬と育薬のために

★CRCの認定試験を受ける方へ
↓どちらも試験対策の参考になります
- 新GCP準拠 医療機関の治験実務―CRC・治験従事者教育マニュアル
- 日本臨床薬理学会認定CRCのための研修ガイドライン準拠 CRCテキストブック


★統計解析を勉強したい方へ
↓統計解析に触れるための導入編としてお薦め!
- 統計学のセンス―デザインする視点・データを見る目
- バイオサイエンスの統計学―正しく活用するための実践理論
- 学会・論文発表のための統計学―統計パッケージを誤用しないために

↓どちらも基礎から本格的に統計解析を勉強したい人におすすめ!良書です
- 医学研究における実用統計学
- 医学研究のための統計的方法

★データマネージャーを目指す方へ
- 臨床試験データマネジメント―データ管理の役割と重要性

★メディカルライターを目指す方へ
↓名著!初心者の方はまずこちらから
- 理科系の作文技術
↓この2冊は英語ですが、手元に置いておく価値はあります
- How to Report Statistics in Medicine: Annotated Guidelines for Authors, Editors, and Reviewers (Medical Writing and Communication)
- American Medical Association Manual of Style: A Guide for Authors and Editors (American Medical Association Manual of Style)
フリーエリア
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。