治験が実施されると、製薬会社のモニターがカルテの内容を見ることができる。直接閲覧(カルテ等の資料を直接見ること)と呼ばれるものである。
この直接閲覧によって、治験が適切に実施されていることをチェックしたり、製薬会社に提出されたデータ(症例報告書に記載されている内容)がカルテの内容と不整合はないかチェックしたりする(このことをSDVという)。
この際、有害事象について漏れなく報告されているのかのチェックも行うことも大切な仕事となる(有害事象については、こちらの
過去の記事へ)。
この有害事象の報告が漏れると問題となるので、治験期間中のカルテは隅々まで見るのであるが、カルテによっては何て書いてあるのか判読が難しいケースも少なくない。
例えば、
○×調子が〜
などのレベルしか読み取れない場合がある。
かろうじて、調子という文字が記載されていそうだということが読み取れたケースである。この判別することが苦労の1つなのである。
何かの調子が悪いのなら、それは有害事象になるので、必死で読み取ろうとする。しかし限界があるので、聞くことになる。
場合によっては書いた本人である先生に聞いても何を書いたのか忘れて読み取れないこともあるのだが、最近は、治験コーディネーターの方がしっかりとフォローしてくれることが多いので、判読する上で助かることが多い。この例の場合、CRCの方に聞くと、あっさり
最近、調子がよい
と書かれていると教えてもらえたりする。これなら有害事象ではないと安心するのである。
そして言われてみると、そう読むこともできる気がしてくるのが不思議だったりする。
どうして読み取れるのか、不思議に思うこともある。
先生の字のクセをマスターすれば読み取れるというレベルでないこともある。
何故判読できるのであろうか。
それは、先生が患者さんを診察してカルテに内容を記載している際に、CRCの方が立ち会っていることがあるからである。
CRCの方がその場に立ち会うことが出来ると、患者さんからの申告の詳細をカルテ以上に細かくメモすることができ(というよりもカルテの情報は限られすぎている場合が多いのだが)、状況を細かく把握できるのであろう。表には出てこないが、CRCの方が記載したメモが充実しているのである。
そして、先生がカルテに書いた状況と、詳細メモを照らし合わせることで、カルテの判読が可能になったりするのだ。
ただ、このようなケースは、CRCの方に恵まれた場合である。
CRCの方がその場に立ち会っていないようなケースは、一緒に何が書かれているのか迷うことも少なくない。
先生が、読める字で、状況も含めてカルテを書いてくれれば、解決する話ではある。