へい太郎の世界

薬や医学に興味のある方、臨床試験や治験を実施する研究者や治験コーディネーターの方、製薬企業やCROのモニターやメディカルライターの方に役立つ情報を更新していきたいと思います。
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11月16日号のNEJMで、エリスロポエチンに関する以下の2つの論文が掲載されている。

アブストラクト

Normalization of Hemoglobin Level in Patients with Chronic Kidney Disease and Anemia(CREATE試験)

Correction of Anemia with Epoetin Alfa in Chronic Kidney Disease(CHOIR試験)

(ちなみに日本語のアブストラクトは、南江堂のHPに掲載されている)

エリスロポエチンは、主に腎臓で生成される糖蛋白質で、骨髄に作用して赤血球の産生を促進するホルモンである。主に腎臓で生産されるため、腎疾患にて不足することになる。

そこで、腎性貧血には、遺伝子組換えによるエリスポエチン製剤が広く用いられている(エリスロポエチン製剤によって、ある製薬会社が巨額の利益を得た話は、過去に本ブログで紹介した本であるビッグファーマに出てくる)。

これら2つの論文では、エリスロポエチン製剤による貧血の治療における効果を評価したものであるが、いずれの試験でも、貧血改善の指標であるヘモグロビン量の目標値を高く(正常域)設定する群と、それよりも低く(正常域よりも下)設定する群の2群で比較している。

結果は、特にCHOIR 試験でインパクトあるものであった。
ヘモグロビン量の目標値を高く設定した群の有害性(心血管イベントのリスクの増大)が認められたのである。CREATE試験でも、試験全体としては特に差はなかったが、ヘモグロビン量の目標値を高く設定した群の方が高血圧発作と頭痛の発現がより多かったとまとめられている。

これらの論文に興味を惹かれていたところ、m3.comでも関連ニュースが取り上げられていた。

以下、抜粋記事

【11月20日】米国食品医薬品局(FDA)は、エリスロポエチン刺激薬(ESA)治療を受けている患者におけるヘモグロビン濃度の正常化に伴って、深刻かつ生命の危険がある心血管系(CV)合併症のリスクが有意に増大するという警告を、医療従事者に向けて出した。この警告は、FDAの安全性情報・有害事象報告プログラムであるMedWatchから金曜日に出された。

FDAからも警告が出されており、やはりインパクト大きいものだったのだ。これら2報の論文を腰を据えて読んでみようかと思う。

ちなみに、エリスロポエチンについてネットで検索すると目にすると思うが、エリスロポエチンがドーピングに使用されているという問題がある。エリスロポエチンによって赤血球数を増加させることにより持久力を高めることが目的とされている。

今回の試験の結果をもって、ドーピングの危険性についても再認識されることを願う。
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2008/09/15(月) 03:57:04 | URL | #-[ 編集]
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エリスロポエチンエリスロポエチン(erythropoietin;EPO)とは、赤血球の産生を促進するホルモンで、主に腎臓で生成される。血液中のエリスロポエチンは、貧血、赤血球増加症などの鑑別診断に用いられる。医薬品としては、エポエチンアルファ(商品名エスポー)、エポエチン
2007/02/10(土) 17:46:06 | 医薬品のマメ知識